卒母後の子ども部屋を整理する考え方と寂しさを軽くする方法

ひとり時間と暮らし

子どもが出ていってから、あの部屋のドアをどのくらい開けていないだろう、と思うことはありませんか。

開けるたびになんとも言えない気持ちになるから、なんとなく避けるようになった。

荷物はそのままで、ベッドも机もそのままで、カーテンも子どもが選んだあの色のまま。

片付けたいという気持ちはあるのに、どこから手をつけていいかわからないし、そもそも手をつけていいのかもわからない。

そういう話を、卒母を経験したアラカン世代の女性からよく聞きます。

私の友人も、末の子が上京してから一年近く経つのに、子ども部屋の荷物にはほとんど触れていないそうです。

片付けたら、もう来ないみたいで嫌なんだよねと言うんですよね。

気持ちはよくわかるし、でもそのままにしていることで、毎日どこかしんどい思いをしているのも話を聞いているとわかる。

そこで、卒母後の子ども部屋をどう整えるか、なぜそのままにしてしまうのか、どういう順番で動けばいいのかを調べてみることにしました。

すると、無理に片付けなくていい理由も、少しずつ動き始めるためのコツも、その先にどんな部屋が待っているかも、だんだん見えてきました。

子ども部屋が気になっているけど動けないという方に、参考になることをお伝えしていきますね。

子ども部屋をそのままにしてしまうのは自然なこと

まず最初に伝えたいのが、片付けられないのはおかしいことでも、意志が弱いことでもないということです。

子ども部屋に手をつけられない理由には、ちゃんとした感情的な背景があることがわかりました。

片付けられないのは、それだけ大切にしてきた証。
物に手をつけることと、記憶に手をつけることが、頭の中でつながってしまっているから動けない。
それはおかしいことじゃなくて、長いあいだ全力でやってきた人の正直な反応だと思います。

触れたくない理由は感情の問題だから

荷物を動かすことが、子どもとの縁を切ることみたいに感じてしまう方は多いみたいなんですよね。

物理的にはただ整理しているだけなのに、捨てることが忘れることと頭の中でつながってしまう。

だから手が止まる。

友人も、あの部屋の荷物を捨てたら、あの子の居場所がなくなるような気がすると言っていました。

荷物があることで、いつでも帰れる場所を守っている感覚があるんでしょうね。

バツイチだと余計に気持ちが残りやすい

パートナーがいない状態でひとり親として走ってきた場合、子どもとの暮らしがそのまま自分の生活のすべてだったという方も多いですよね。

離婚後、子どものために動き続けてきた時間の分だけ、子ども部屋に込められた思いも濃い。

ふたり親の家庭なら、片方がいなくなってもまだ家族の暮らしは続いていく。

でもひとり親の場合、子どもがいなくなると家の中に自分だけが残る。

その感覚の重さは、経験した人にしかわからない部分があるんですよね。

家の静けさを部屋が受け止めている

子どもがいたころは、子ども部屋から音がしていましたよね。

音楽が聞こえてきたり、笑い声がしたり、深夜に起きている気配があったり。

その部屋がいまは静かになっている。

ドアを開けるとその静けさが際立って、家全体の変化をあらためて感じてしまう。

だから開けたくない、という方もいます。

部屋をそのままにしておくことで、変化を少しでも遠ざけようとしているのかもしれないですよね。

部屋が心の支えになっている

いつ帰ってきてもいいようにと思いながら部屋を保っている方は多いみたいです。

それは決しておかしいことじゃなくて、親として自然な気持ち。

ただ、帰ってくるための部屋と自分が毎日生きるための家は、少しずつ分けて考えていくことが、これからの暮らしにとって大事になってくることもある。

そのことは、もう少し後で書いていきますね。

ここで少し立ち止まって片付けられないのは、それだけ大切にしてきた証です。
無理に急がなくていい。
ただ、そのままでいいとそのままがしんどいのあいだで揺れているなら、少しだけ一緒に考えてみませんか。

そのままの部屋が寂しさを長引かせる理由

子ども部屋をそのままにしておくことには感情的な理由があることはわかりました。

でも調べていくと、そのままの状態が寂しさや気持ちのしんどさを長引かせる一因にもなっているということも、見えてきたんですよね。

過去の時間で気持ちが止まりやすい

空間は記憶を呼び起こす装置みたいなもので、子どもがいたころのままの部屋は、毎日前の暮らしに引き戻す力を持っています。

毎朝廊下を通るたびに、ドアの前を通るたびに、あのころの記憶が浮かんでくる。

思い出すこと自体は悪いことじゃないんですが、毎日何度も過去に引っ張られていると、今に戻ってくることが難しくなってくるんですよね。

日常の動線から孤独感が増す

子ども部屋が使われていない空間として家の中に存在していると、そこを通るたびに誰も使っていないという事実を確認することになってしまうんですよね。

意識しているわけじゃないのに、体がその感覚を積み重ねていく。

使われていない空間は、空白のまま置いておくほど、その空白の存在感が大きくなっていくということがわかりました。

掃除ができない分罪悪感も積み重なる

触れたくないから掃除もできない。

でも掃除しないことへの罪悪感はある。

そのループに入っている方も多いみたいなんです。

ちゃんとしなきゃいけないのに動けないという感覚が積み重なると、部屋のことを考えるたびに気持ちが重くなる。

本来は気持ちを守るためにそのままにしているのに、逆に気持ちを重くしてしまっている、という状態になってしまうことがあるんですよね。

使わない空間のもったいなさ

6畳でも8畳でも、一部屋丸ごとが開けられない部屋になっているとしたら、暮らしの中でかなり大きなスペースが止まっていることになります。

年に数回の帰省のために、残りの350日以上を見るたびしんどくなる部屋にしておく必要はないかもしれない。

そういう視点で考えてみると、少し整理の動機が生まれてくることもあるんですよね。

すぐ捨てないで整える3段階

整えるというと、全部を捨てて空っぽにすることだと思いがちですが、そうじゃないんですよね。

調べてみてわかったのが、卒母後の子ども部屋の整理で大切なのは一気にやらないこと、捨てることを急がないことだということでした。

3段階に分けてゆっくり進めていくのが、気持ち的にも実際の動きとしても、うまくいくことが多いみたいです。

第1段階は見える物だけを少し減らす

最初は、捨てるじゃなくて見えなくするだけでいいんですよね。

床に出ているものを袋にまとめて押し入れに入れる、机の上のものをひとまとめにして箱に入れる。

それだけで、部屋の見た目がずいぶん変わります。

捨てていないという安心感を保ちながら、視覚的な整理だけ先に進める。

この段階では何も手放さなくていいです。

友人も、まず床だけきれいにしてみたと話していて、それだけで部屋に入るのが少し楽になったと言っていました。

第2段階は机やベッドの役割を変える

第1段階で少し慣れてきたら、今度は家具の役割を変えることを考えてみます。

学習机は子どもが勉強する場所じゃなくて、自分が何かをする場所に。

ベッドは子どもが寝る場所じゃなくて、来客用や昼寝用に。

物を捨てなくても、この家具は今の私が使うものだという意識が変わるだけで、部屋の空気が変わってくるんですよね。

名前を変えるだけとも言えるんですが、それが意外と効くということがわかりました。

第3段階は部屋ごと役割を変える

第2段階まで来ると、この部屋を自分のために使ってみようかな、という気持ちが自然に出てくることが多いみたいです。

趣味部屋、読書部屋、客間、ゲストルームなど呼び方を変えるだけでも、部屋との関係が変わってくる。

子どものものをすべて処分しなくても、主役が変わったという感覚を持てると、気持ちが前に向き始めるんですよね。

この3段階のポイントは、捨てるを急がないこと。

思い出のものはすぐに手放さなくていい。

ただ、今の自分の暮らしに少しずつ部屋を開いていく、それだけでいいんだということがわかりました。

捨てることは忘れることじゃない思い出は物の中にあるんじゃなくて、あなたの中にあります。
物を手放しても、記憶はなくならない。
整理することは、思い出を物から心の中に移すことだと考えてみると、少し動きやすくなる方が多いんです。

子ども部屋を自分のために使い直すアイデア

子ども部屋を整えた先に、じゃあそこを何に使おうと考えるのが楽しい段階です。

調べてみると、卒母後に子ども部屋を自分のために使い直した方の話がいろいろ出てきて、読んでいてわくわくするものが多かったんですよね。

・お茶部屋

好きなお茶だけを飲む部屋にしてみる。

小さなテーブルと椅子を置いて、誰にも気を遣わないお茶の時間をそこだけに作る。

・ミシン部屋

ずっとやりたかった手仕事をできる部屋にしてみる。
ミシンや手芸道具を広げっぱなしにできる場所。
片付けなくていい作業部屋は意外に贅沢。


・推し活部屋

好きなものを飾れる場所にしてみる。
グッズも写真もポスターも、好きなように飾っていい部屋。
誰の目も気にしなくていい。


・書き物部屋

日記や読書のための静かな場所にしてみる。
本棚を置いて、書きたいものを書く部屋に。
家の中に自分だけの書斎を持てる。
・孫部屋
いつか孫が来たときのための場所にしてみる。
子ども部屋を孫用の部屋として整え直すと、前向きな目的が生まれて動きやすい。


・一人映画部屋

自分だけのシアタールームにしてみる。
小さなプロジェクターを置いて、見たい映画を好きな時間に見る。
ひとり時間の質が変わる。

どれも、大きなリフォームが必要なわけじゃないんですよね。

今ある家具を少し動かして、自分が好きなものをひとつ持ち込む。

それだけで、子ども部屋が自分の部屋に変わっていく。

友人は最近、子ども部屋に小さなティーセットを持ち込んで、週末の朝だけそこでお茶を飲むようにしたんですが、なんかあの部屋に入るのが楽しみになってきたと言っていて、表情がずいぶん変わった気がしたんですよね。

たったそれだけのことで、部屋との関係がこんなに変わるものかと思いました。

部屋を整えると一人時間が軽くなる

 

子ども部屋を整えていくと、不思議なことが起きてくるんですよね。

ひとり時間が、怖くなくなってくる。

卒母後のひとり時間が苦手だという方の話を聞いていると、家の中に居場所がない感じがすると表現する方が多いことに気づきました。

リビングは子どものいたころの名残りが残っていて、子ども部屋は入れなくて、どこにいても仮の場所にいる感覚がするそう。

その感覚は、子ども部屋を整えて自分の場所が家の中にひとつできると、ずいぶん変わってくるみたいなんです。

自分の場所があると一人時間の質が変わる

家の中に、ここは自分のための場所だと思える部屋がひとつあるだけで、ひとりでいることの重さが違ってくるんですよね。

お茶を飲みにあの部屋へ行く、本を読みにあの部屋へ行く、そういう自分のためのルーティンが生まれると、ひとり時間が埋めなきゃいけない空白じゃなくて、向かっていく場所になってきます。

空間が変わると気持ちの重心も変わる

前の暮らしを呼び起こす空間が減って、今の自分のための空間が増えていくにつれて、毎日の気持ちの重心が少しずつ今日に戻ってきます。

過去に引き戻されることが減って、今日どうしようという気持ちが出てくる。

それが、一人時間を豊かにしていくための土台になるんですよね。

部屋を整えることと、ひとり時間を楽しめるようになることは、実はつながっているんだということが、調べていくうちにだんだんわかってきました。

まとめ

今回は、卒母後に子ども部屋をどう整えるか迷ったときの考え方を調べてみました。

子ども部屋に手をつけられないのは意志が弱いからじゃなくて、そこに感情的な理由がちゃんとあるということがわかりました。

触れることが忘れることみたいに感じてしまう、帰ってくる場所を守りたい、部屋が心の支えになっている、そういう気持ちがあってのことで、それは長いあいだ全力でやってきた証でもあります。

ただ、そのままの状態が毎日の寂しさを長引かせることがあるのも事実で、過去の時間で気持ちが止まりやすくなること、日常の動線から孤独感が積み重なること、使わない空間が空白として存在し続けること、そういうことが少しずつしんどさになっていくということもわかりました。

整えるときは一気にやらなくていいし、捨てることを急がなくていい。

見えるものだけ減らす、家具の役割を変える、部屋ごと名前を変える、という3段階でゆっくり進めていくのが、気持ち的にも動きとしても無理がない。

そして整えた先には、お茶部屋でも読書部屋でも推し活部屋でも、自分が向かっていきたい場所を作れるという楽しみがあります。

子どものいた部屋を自分が使う部屋に変えることは、思い出を消すことじゃなくて、思い出の上に今を重ねていくこと。

部屋が少し変わると、家の中に自分の場所ができて、ひとり時間の重さが変わってきます。

そのことについては、次の記事でもう少し詳しく書いているので、よかったら続けて読んでみてくださいね。

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