今の暮らしがしんどいなと感じた時に見直したい住まいのこと

暮らし

片付けをしてすっきりしたはずなのに、どこかまだ落ち着かないし、家にいるのなんとなく疲れるんだよね、という感覚を持ち始めたアラカン女性の話を最近よく聞きます。

最初は物が多いせいなんじゃないかと思ったから、片付けを始めてみたという人もいるのではないでしょうか。

引き出しを空にしたり押し入れを整理して、だいぶ身軽になったはずなのに、それでも何かが引っかかったままで、家の中にいるのにどこかしんどいと感じ、そこで初めて問題は物の量じゃなかったかもしれないと気づくんですよね。

今回書くのは、引っ越しをすすめる話でも、家を手放す話でもなく、今の暮らしと今の家の間に生じているズレに、少し気づいてみるための話です。

決断を迫るつもりもなくて、ただその違和感に少し名前をつけてみようかというお話です。

思い出の物で手が止まってしまう時は、こちらも参考にしてみてください。

片付けても落ち着かない時がある

片付けをひとつの区切りとして終えた後も、なんとなく家の中が落ち着かないという感覚が続くことがあります。

物が減ったのに休まらない、家にいるはずなのに疲れるという状態です。

収納が足りないとか掃除が行き届いていないとかそういう話ではなく、もう少し別のところに原因があることが多いので、片付けで解決できる問題と、片付けでは届かない問題が実は別にあるということです。

家の中の動線が今の生活に合っていない

子育て中や家族が多かった頃の動線と、今ひとりで暮らしている時の動線は、自然と変わります。

以前はよく使っていた部屋を今は通らなくなっていたり、毎日使う場所が家の中で遠回りになっていたりすることがある。

たとえば、洗濯物を干すためにわざわざ二階へ上がったり、よく使うものが廊下の端の収納にしかなくて、朝の支度で家の中を行ったり来たりしているというような、ちょっとした動きが積み重なって、気づかないうちに小さな疲れになっていきます。

動線の問題は見えにくいぶん、なんとなくしんどいという感覚としてじんわり出てきやすいです。

音や階段が体にこたえるようになる

交通量の多い道路沿いだったり、上の階の生活音が響いたり、夜中に通るトラックの振動が気になったりと、以前は気にならなかった外の音が、ひとりでいる時間が増えてから気になるようになったという人は多いです。

静かに過ごしたい時間が増えたからこそ、音の環境が暮らしの質に直接響いてきます。

階段も同じで、若い頃は何とも思わなかったのに、毎日何度も上り下りすることが少しずつしんどくなってきて、重い荷物を持って二階へ上がる、夜中にトイレで階段を下りる、そういうことが積み重なると、家の構造が体の負担になっていきます。

これは体力が落ちたという話というより、暮らし方が変わったことで家との相性が変わってきているということだと思います。

空き部屋が気持ちに影響する

子どもが独立した後、使われなくなった部屋に教科書や部活道具がまだ残っていたり、使っていたベッドがそのままになっていることがありますよね。

その部屋のドアを開けるたびに気持ちが重くなるという感覚は、感傷的なことではなく、暮らしの中で毎日繰り返される小さな疲弊です。

物が多く残っているなら管理の手間もかかるし、かといって手をつけようとすると気力がいるので、その存在が暮らし全体にじわじわと重さをのせていることがあります。

使われていない部屋というのは、物理的な空間以上に気持ちの中で場所をとっていたりするんですよね。

広い家が安心とは限らなくなる

広い家は良いことだという感覚は、長い間ずっと当たり前のようにありました。

広いほど豊かに見えて、広いほど安心と感じ、広いほど暮らしやすいだろうということで、家を選ぶ時も、広さはひとつの基準だったはずです。

でもひとりで暮らすようになってから、その感覚が少しずつ変わってきたという人がいます。

部屋がたくさんあることが豊かさではなく、管理しきれないものを抱えている状態に感じられ、広さが安心ではなく負担に変わっていくんですよね。

使わない部屋が管理の手間になる

使っていない部屋も換気したり掃除をしたりして、さらには湿気にも気を配ってという管理は必要です。

誰も入らないのにカーテンを開け閉めして、たまに掃除機をかけて季節ごとに窓を開けるという行動も、誰も使っていないのに手をかけ続けなければならない状態が、じわじわと消耗になっていきます。

部屋数が多いほどその消耗は静かに積み重なるし、掃除の範囲が広いことも同じで、全部きれいにしようとすると体力と時間を使うので、無理をして全部やろうとするか、できない部分を見て見ぬふりするかと悩むことも多くなり、考えるだけでどちらも疲れるんですよね。

今日は奥の部屋まで手が回らなかったという罪悪感みたいなものが、じわじわ積み重なっていくこともあります。

家を守るために暮らしている感覚

家を持ち続けることには、維持費や固定資産税、修繕費に管理などそれなりのコストと手間がかかります。

雨漏りが気になっては業者を呼んだり、外壁の塗装が必要かを考えたり、給湯器が古くなって買い替えを検討したりと、本来は暮らしのための家のはずが、いつのまにか家のために自分の時間とお金とエネルギーを使っている状態になっているんですよね。

家に住んでいるというより、家を維持しているに近い感覚という人もいます。

広い家を守り続けることが今の自分の暮らしにとって本当に必要なことなのか、という問いは、贅沢な悩みでも弱音でもなく、今の暮らしを見直すための真っ当な問いだと思います。

生活が変わると家との合い方も変わる

 

今の家を選んだのは、子どもがいて家族の人数が多くて来客もあって、収納もたくさん必要だった今とは違う生活をしていた頃のことです。

その頃の暮らしに合わせて選んだ家が、今の自分の生活に合わなくなってきたというのは、家が悪かったのでも昔の選択が間違いだったのでもありません。

昔と今の生活が変わったということ、それだけのことなんですよね。

家はその時の暮らしに合わせて選ぶもの

子育て中は子ども部屋が必要だし、家族が多ければ広いリビングが必要で、来客が多ければ客間が必要だと感じるし、週末に子どもの友達が遊びに来て、親も集まって賑やかに過ごせる家が必要だった時期があって、その時の必要に合わせて選んだ家は、その時の判断として正しかったんですよね。

ただ、子どもが独立して来客も減って一人の時間が増えた今は、必要なものが変わっていくので、暮らしている中で家に違和感を感じるのは誰かのせいでも失敗でもなく、時間の流れの中で自然に起きることです。

今の暮らしとのズレを確かめてみる

一人時間が増えたのに広いリビングをひとりで持て余していて、子どもの独立後も子ども部屋がそのままになっている。

来客用の部屋を維持するために定期的に掃除を続けていて、大きなダイニングテーブルにひとりで座って食事をしている、というズレが少しずつ積み重なった状態が、家にいるのになんとなく疲れるという感覚の正体だったりするので、このズレに気づくことが今の暮らしを見直す最初の入口になります。

昔の家選びを後悔する話ではなく、今の自分に何が合っているかを考える話です。

住み替えは特別なことではない

住み替えという言葉を聞くと、大ごとのように感じる人が多いですよね。

長く住んだ家を離れることへの抵抗だったり、家族の思い出が詰まった場所を手放すことへの罪悪感や、近所付き合いや慣れた環境を変えることへの不安など、そういうものが重なって考えること自体を避けてしまうことがあります。

でも、暮らしに合わなくなった家に我慢して住み続けることの消耗も、同じくらいじわじわと積み重なっていきます。

我慢して住み続けることも選択のひとつ

もちろん、慣れた場所や慣れた近所、慣れた環境などそれ自体が暮らしの安定になっていることがあるので、今の家に住み続けることが最善という場合もあります。

ただ、住み替えなんてできないという思い込みから選んでいるのと、今の家に住み続けることを自分で選んでいるのとでは、気持ちの重さが違い、選択肢として住み替えが視野に入っているかどうかだけで、今の家との向き合い方も変わってくるんですよね。

暮らしに合わせ直すという考え方

昔選んだ家を今も維持し続けることが、今の自分の暮らしにとって本当に必要なことかどうか、一度考えてみてもいいかも知れません。

住み替えは逃げでも贅沢でもなく、変わった生活に合わせて住まいを見直すという暮らしの選択です。

小さく暮らす方向に合わせ直すことで、管理の手間が減ったり維持費が下がり、毎日の動線が楽になることがあります。

掃除が半分で済む、階段がない、スーパーが近くて静かな環境、そういう条件が日々の疲れを少し減らしてくれることがあるので、そういう選択肢があるということを、知っておくだけでも少し違います。

まずはラクに暮らせる条件を考える

住み替えを決断するかどうかより先に、今の自分がラクに暮らせる条件はどんなものかを考えてみることが、次の一歩として自然なんですよね。

どんな家に住むかではなく、どんな暮らしをしたいか、その答えが今の家で実現できているかどうかを確かめるだけでも、ずいぶん整理されることがあります。

毎日の暮らしがラクになる条件

掃除の範囲が少ない、移動が少ない、スーパーや病院が近い、静かな環境、日当たりがいい、階段が少ない、コンパクトにまとまっているなど、若い頃はあまり気にしなかったこういった条件が、今の自分の暮らしには直接影響してくることが多いです。

毎朝の買い物が近いだけで気持ちが楽になる人もいるし、階段がないだけで体の負担がぐっと減る人もいます。

何が自分にとって大事かは人によって違いますが、今の暮らしでしんどいと感じている部分が何かを確かめておくと、ラクになる条件が少しずつ見えてきます。

条件を考えることが次への準備になる

今すぐ動く必要はありませんが、今の自分にとってラクな暮らしの条件を考えておくことは、住み替えを選ぶにしても選ばないにしても、今の家との向き合い方を整理するために役に立ちます。

自分はこういう暮らしがいいという感覚を少しずつ言葉にしていくこと自体が、これからの住まいを考える時の基準になっていきます。

決断はその後でいいんです。

どんな家がラクに暮らしやすいのかは、間取りや広さでもかなり変わってきます。

まとめ

今回は、暮らしがしんどいと感じた時に見直したい住まいのことについて書きました。

片付けをしても違和感が残ることがあり、それは片付けが足りないのではなく、暮らし方と住まいの間にズレが生じているサインかもしれません。

広い家、部屋数の多い家は、家族が多かった頃の暮らしに合わせて選んだもので、生活が変わった今、昔の選択を後悔する話ではなく、今の自分に何が合っているかを考える話としてその家が今の自分に合っているかどうかは、改めて考えてみていい問いです。

住み替えを決断しなくていい。

ただ、今の自分がラクに暮らせる条件を少し考えてみることは、無理に我慢し続けることとは違う選択肢があると気づくための、静かな入口になるので、今の暮らしに合う住まいを考えていいということです。

暮らしを整え始めたい時は、片付けを無理なく始める順番から見直してみるのもおすすめです。

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