住み替えを考え始めた時に最初にぶつかるのが、何を基準に選べばいいかわからないという問いです。
とりあえず不動産サイトを開いて、1LDKと2LDKの間取り図をながめて、広さの数字を比べて、でも結局どちらが自分に合うのかわからないまま閉じるということを何度か繰り返している人は多いですよね。
間取りの数字を見ていても、答えが出てこない理由は、どんな暮らしをしたいかが先に決まっていないからなんです。
間取りを選ぶ前に、自分の暮らし方を先に考えるという視点を必要なので、どの間取りが正解かという話ではなく、自分にとってラクな暮らしとは何かを考えていきましょう。
広さより使いやすさが大切になる

住まいを探し始めると、広さと部屋数がつい最初に目に入りますが、一人暮らしでは広さよりも自分が無理なく動ける家かどうかの方が毎日の快適さに直結するんですよね。
広いことが豊かさだった時代の感覚を、一度手放して考えてみることが大事です。
自分がよくいる場所はどこか
朝起きてから夜寝るまで、実際に一番長く過ごしている場所を思い浮かべてみると、キッチンとダイニングを行き来している時間が長い人、リビングのソファが一日の中心にある人、寝室で本を読んだりテレビを見たりすることが多い人がいて、それぞれ違うので、その場所が快適かどうかが、暮らしの満足度に一番直結しています。
間取りの広さより、よくいる場所の居心地の方が、毎日の気持ちを決めているんですよね。
新しい住まいを内見する時も、全体の広さより自分がいちばんいたい場所がどうかを先に確かめる方が、住んでからのミスマッチが少なくなります。
逆に言えば、ほとんど使わない部屋がいくつあっても、毎日いる場所が使いにくければ暮らしは快適にならないので、広さの数字ではなく、自分の一日の動きの中に、心地よい場所があるかどうかという目線で見ると、間取りの見方が変わってきます。
使っていない空間を引き継がない
今の家で実際によく使っている場所と、ほとんど入らない場所を思い返してみて、年に数回しか使わない客間、物置になっている部屋、廊下の端の収納スペースなどは、住み替えを機にその空間ごと引き継ぐ必要はありません。
今の暮らしで実際に使っている場所だけを基準にして必要な広さを考えると、部屋数の答えが意外とシンプルに出てきます。
来客への対応も、宿泊してもらう前提を一度外してみると、必要な部屋数がまた変わってきます。
近くにホテルを使ってもらう、泊まりでなく日帰りにしてもらう、そういう選択肢を持っておくだけで、来客のための部屋をずっと維持し続けなくていいことに気づきます。
今の自分の暮らしに使っていない空間は、新しい家では最初から持たないという考え方もひとつの選択です。
広さと管理のバランスを考える
住まいの広さは、快適さと管理の手間の両方に影響します。
広いほどゆとりを感じる場面もありますが、広いほど掃除の範囲が増え、物が増えやすく、維持にかかるエネルギーも増えます。
一人暮らしでは、自分がラクに管理できる広さかどうかという視点が、快適さと同じくらい大事です。
余裕のある広さと、持て余す広さの境目は人によって違いますが、今の家での経験を振り返ってみると、自分に合う広さのイメージが少しずつ見えてきます。
今の暮らしに本当に必要な空間を考える

間取りを選ぶ時に、子育て中や家族が多かった頃の感覚が残っていると、実際より広い家を選びがちです。
子ども部屋が必要だった頃の基準、来客が頻繁だった頃の基準を、今の暮らしに合わせて一度見直してみることが大事です。
食べる・寝る・くつろぐ、それぞれの場所
一人暮らしに必要な空間を考える時に、食べる場所・寝る場所・くつろぐ場所のそれぞれが、どのくらいの広さと形が快適かを考えてみて、この三つが心地よく収まっていれば一人の暮らしは成立します。
食事はキッチンに近い小さなテーブルで十分という人もいるし、ダイニングにゆったり座る時間が一日の楽しみという人もいる。
くつろぐ場所がソファである人もいれば、寝室のベッドの上が一番落ち着くという人もいるので、どれが正解ということはなく、自分がどこにいる時間が一番心地よいかで、必要な広さと形が決まってきます。
今の家で一番好きな場所を思い浮かべてみると、わかりやすいかもしれません。
朝コーヒーを飲みながら座っている窓際の椅子、夜ひとりでゆっくりできる風呂、料理しながら外が見えるキッチンの窓など、そういう場所が新しい住まいでも確保できそうかどうかを先に確かめると、間取りの選択肢が絞られてきます。
趣味や毎日の習慣に合わせた場所があるか
毎日の暮らしの中に続けていることや大切にしていることがあれば、その場所が確保できるかどうかも確かめておきたいですよね。
毎朝コーヒーを丁寧に淹れる時間があるなら、キッチンの使い勝手が暮らしの質に関わります。
手芸や読書、植物の世話など、一定のスペースと光が必要なことがあれば、その場所が確保できるかどうかが住みやすさに影響します。
専用の部屋が必要という話ではなく、自分の暮らしの中で大切にしている時間が、その家で続けられるかどうかというイメージを持っておくことが大事です。
内見の時に、ここでいつものあれができるかなと考えてみると、数字だけではわからない住み心地が見えてくることがあります。
収納の前に持ち物の量を確かめる
間取りを選ぶ時に、収納の広さを基準にする人は多いです。
でも収納が広いほど物が増えやすく、何がどこにあるかわからなくなりやすいので、今の暮らしで実際に使っている物の量を基準に考えると、必要な収納量が見えてきます。
住み替えを機に持ち物を見直すと、今より収納が少ない家でも十分だったということは少なくないので、断捨離が必要という話ではなく、今の自分の持ち物に合った収納量の家を選ぶということなんですよね。
毎日の動きがラクな間取りを意識する

間取りを見る時に、部屋の広さと同じくらい確かめてほしいのが動線です。
洗濯から収納まで、キッチンから食卓まで、起きてから出かけるまでの流れがスムーズかどうかが、毎日の体の疲れに直接つながっています。
動線の良し悪しは、間取りの図面を見ているだけではわかりにくいので、内見の時に実際に動いてみることが大事です。
洗濯動線を一度なぞってみる
洗濯は毎日やることなので、その動線が暮らしやすさに大きく影響します。
洗濯機の場所から、干す場所、畳む場所、収納する場所まで、一連の流れがどうつながっているかをなぞってみます。
洗濯機が一階にあってベランダが二階にある場合、濡れた洗濯物を持って毎日階段を上ることになりなり、晴れた日は気にならなくても、体調が優れない日や荷物が多い日には、それだけで消耗します。
洗濯機と干す場所が同じ階にあるかどうか、畳んだ後に収納するまでの距離がどうかは、間取り図で確かめておきたいことです。
乾燥機を使う人であれば、洗濯機と乾燥機の置き場所が確保できるかどうか、コンセントの位置がどうかも確かめておくと、住んでからここに置けなかったということが防げます。
キッチン動線と食事の流れ
キッチンの使い勝手は、毎日の食事の準備と後片付けに直接影響します。
冷蔵庫とコンロとシンクの位置関係、よく使う調味料や食器の収納場所、ゴミ箱への動き。ここがスムーズかどうかは、料理を続ける気力にも関わってくることがあります。
料理が好きで毎日しっかり作る人は、キッチンが広くて動きやすいかどうかが暮らしの満足度に直結するし、簡単なものを作ることが多い人でも、狭すぎて窮屈なキッチンでは毎日の食事の準備がしんどくなります。
キッチンから食卓までの距離も、毎日の動きに影響します。
料理してすぐ隣に食卓がある間取りと、廊下を挟んで食卓が別の部屋にある間取りでは、一人の食事の支度のしやすさがずいぶん違います。
水回りの位置と夜の動き
トイレと寝室の距離、洗面所と脱衣所の使い勝手、浴室への動線なども意外に大事で、夜中にトイレへ行く時に長い廊下を歩かなくていいか、という小さなことは、毎晩のことだけに積み重なります。
脱衣所と洗濯機が近いかどうか、洗面所が朝の支度の動線に合っているかどうかも、毎日使う場所だからこそ確かめておきたい部分です。
二階建てを選ぶ場合は、トイレが一階と二階の両方にあるかどうかも、夜の動きを考えると大事な確認ポイントになります。
収納の広さより管理しやすさを優先する

収納が多いほど良いというのも、一人暮らしでは少し違う話なんですよね。
収納が広いと物が増えやすく、何がどこにあるかわからなくなりやすいので、結果として探し物が増えてしまい、管理の手間が増えて使っていない物を何年も抱え続けることになります。
収納の量より、取り出しやすさと管理のしやすさの方が、毎日の暮らしの気持ちよさに影響することが多いです。
取り出しやすさが暮らしのテンポをつくる
よく使うものがすぐ手の届く場所にあるということは、暮らしのテンポを整えるうえで思っている以上に大切です。
奥に入れすぎて取り出すのが面倒になる、どこにしまったか思い出せなくてあちこち開ける、収納の扉を開けると手前の物が崩れてくるということが毎日繰り返されると、家の中にいるのになんとなく疲れる感覚になっていきます。
大きなウォークインクローゼットがひとつあるより、使う場所の近くに、その場所で使う物がちょうど入る収納がある方が、実際には暮らしやすいことが多いです。
玄関に外出時に必要な物が全部そろっている、キッチンに料理道具が手の届く範囲で収まっている、洗面所に毎朝使う物が一カ所に置いてあるという配置が自然にできる間取りかどうかは、内見の時に持ち物の置き場所をイメージしながら見てみると確かめやすいです。
奥行きの深い収納に注意する
収納の広さより、奥行きの深さも確かめておきたい部分です。
奥行きが深すぎる収納は、手前に物が積み重なって奥のものが取り出せなくなりやすいですよね。
押し入れに入れたまま何年も出てこない物という状態は、たいてい奥行きの深い収納から生まれがちなので、浅めの収納が多い間取りの方が、管理がしやすいことがあります。
内見の時に収納の奥行きを実際に確かめてみると、使いやすさのイメージがつかみやすくなります。
掃除のしやすさも収納と同じくらい大切
間取りを見る時に、掃除のしやすさも確かめておきたいことです。
家具が置きにくい変形した部屋は掃除がしにくく、段差が多い家は掃除機をかける時に手間がかかります。
廊下が長い家は掃除の範囲が広くなり、窓の数が多い家は窓拭きの手間が増えます。
今の家で掃除に時間がかかると感じている部分があれば、それが新しい家ではどうかをイメージして見てみると、住んでからの管理のしやすさが変わってきます。
自分がラクに過ごせる場所を優先する

間取りだけで住みやすさは決まりません。
どんなに動線が良くても、毎日の買い物が不便だったり、外の音がうるさかったり、日当たりが悪かったりすれば、暮らしのしんどさは変わりません。
住む場所の環境が、間取りと同じくらい暮らしの質に影響します。
毎日の生活に必要なものが近いかどうか
スーパーまでの距離、病院へのアクセス、駅からの道のりなどは老後の備えという話ではなく、今の自分の毎日の暮らしやすさの話なんですよね。
今の家では歩いて五分のスーパーが、住み替え先では自転車が必要になった、ということが意外と見落とされやすいです。
荷物が重い日、雨の日、体調が優れない日に、近くに必要なものがあるという安心感は、毎日の暮らしの疲れに直接関わるので、内見の時に実際にスーパーまで歩いてみることをおすすめします。
地図の距離と実際に歩いた時の感覚は、坂道の有無や信号の数で変わります。
病院についても、かかりつけ医がどこにあるか、急な体調不良の時にどこへ行くかを先にイメージしておくと、住んでから慌てることが少なくなります。
静かさと日当たりを確かめる
ひとりでいる時間が増えると、住環境の影響が体に出やすくなります。
日当たりが良い部屋で過ごす時間と、一日中薄暗い部屋で過ごす時間では、気持ちの状態が違うし、幹線道路沿いで夜中もトラックが通る場所と、静かな住宅街とでも、睡眠の質と疲れの出方が変わってきますよね。
昼間の明るさは内見の時間によって違って見えるので、午前中と午後の両方に訪れてみると実態がつかみやすいです。
夜の静かさは昼間の内見ではわかりにくいでので、気になる物件があれば夕方や夜の時間帯に近くを歩いてみると、昼には気にならなかった音や雰囲気がわかることがあります。
近所の雰囲気、道の歩きやすさ、街灯の明るさ。間取りの図面には出てこないこういった条件が、毎日の暮らしの満足度に大きく関わっています。
安心感のある環境かどうか
一人暮らしでは、安心感のある環境かどうかが暮らしの疲れに影響します。
オートロックがあるかどうか、周辺の治安はどうか、隣近所の雰囲気はどうかなど、防犯面の安心感がある所だと、一人でいる時間が長いほど暮らしの満足度に関わってきます。
管理人がいるマンションか、自主管理かによっても、何かあった時の対応のしやすさが違います。
住む前にすべて確かめることはできませんが、内見の時に管理状態を見てみたり、不動産の担当者に周辺環境を聞いてみたりすることで、おおよその雰囲気はつかめます。
まとめ
今回は、アラカン女性の一人暮らしにちょうどいい間取りの考え方について整理しました。
広さや部屋数だけで考えるのではなく、自分が無理なく暮らせるかどうかを基準にすると、住まい選びはずっとラクになります。
自分が一番長くいる場所が快適かどうか、来客前提の空間を引き継ぐ必要があるかどうか、食べる・寝る・くつろぐそれぞれの場所が心地よく収まるかどうか。
部屋の広さより先に、そこで自分がどう動いてどう過ごすかをイメージすることが大事です。
動線は毎日の体の疲れに直結するし、収納は広さより取り出しやすさと管理のしやすさの方が暮らしのテンポをつくります。
そして間取りと同じくらい、スーパーや病院の近さ、静かさ、日当たり、安心感といった環境の条件が、毎日の暮らしやすさを決めます。
暮らし方は変わるので、昔の自分に合っていた基準で選ぶ必要はなく、今の自分にとって何がラクで何が大事かを基準にして、住まいを考えてみましょう。
住まいを見直したくなったきっかけについては、こちらの記事でも整理しています。


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