思い出の物の前で止まった理由は、なんとなくわかったけど、次に何をすればいいのかが見えないという状態のアラカン女性の話をよく聞きます。
納得はしたけれど方向が見えない、動きたい気持ちはあるけれど無理はしたくない、そのどっちでもない感覚のまま日々が過ぎていく感じです。
思い出の物で止まった後に必要なのは、片付けを再開することではないと思っています。
物の話だけで考え続けるのではなく、暮らし全体を少し整え直す視点に切り替えること、今回はその考え方を紹介していきますね。
片付けではなく暮らし全体で見る視点に切り替える

思い出の物で手が止まった後、多くの人がまた物の話に戻ろうとします。
どうやって整理するか、何から手をつけるかという方向で考え直そうとしますが、そこに戻っても、また同じ場所で止まることが多いんですよね。
必要なのは片付けの再開ではなく、視点そのものを切り替えることなので、物単体で考えるのをいったん止めて、自分の暮らし全体を眺めてみることです。
物だけ見ていると全体が見えなくなる
片付けをしている間は、どうしても目の前の物のことだけを考えます。
これを残すかどうか、あれはどうするかというその判断の積み重ねでやっていくのが片付けだから、仕方のないことです。
でも物だけを見続けていると、自分が今どんな暮らしをしたいのかという問いが、どこかに消えてしまいます。
思い出の物の前で止まるのは、物の判断だけでは答えが出ない場所に来たということでもあるので、だからそこで一度、物から暮らし全体へと視点を上げてみることが必要です。
時間・空間・習慣のつながりで見る
暮らし全体というのは、時間の使い方や部屋の空間の使われ方、毎日の習慣の三つのつながりで見るとわかりやすくて、どれかひとつが変わるとほかも少しずつ変わります。
逆に言えば、物だけ整えても時間と習慣がそのままなら部屋は元に戻りやすい。
物を片付けることと、暮らしを整えることは、似ているようで少し違うんですよね。
思い出の物で手が止まる理由については、こちらで整理しています。
どこで疲れているかを軽く見てみる

暮らし全体を見直すといっても、一から自分を分析するなどしてそんなに深く掘り下げなくていいです。
ただ、朝から夜までの日常の流れを軽く思い出してみて、どこで疲れを感じているか、どこで少し止まっているかを確かめるだけで十分です。
一日の流れを軽くなぞってみる
朝起きてから夜寝るまでの流れを、頭の中でざっとなぞってみると、どこかでなんとなくしんどいなと感じる場面があるはずです。
片付けが止まっている場所かもしれないし、使いにくい場所かもしれないし、毎日やっているけれど疲れを感じている習慣かもしれない。
細かく書き出す必要はありませんが、そういえばここが気になっているかもという感覚があれば、それで十分です。
どこで止まるかが再設計の入口になる
どこで止まってしまっているのかという問題を解決するためではなく、どこから手を入れればいいかの方向を見つけるため、どこで止まってしまっているのかをよく観察し、その感覚を手がかりに再設計します。
疲れている場所や止まっている場所が見えてくると、そこが暮らしを整え直す入口になります。
一番しんどい場所から始める必要はなくて、自分がここなら少し変えられそうと感じる場所でいいんです。
足すより減らすという考え方

暮らしを整え直そうとした時に、つい新しいことを増やしたくなります。
いい習慣を始めよう、部屋をもっと使いやすくしよう、何か工夫を取り入れようというその気持ちはわかります。
でも増やすと管理が増えて疲れるから、まず減らすことを考えるほうが先です。
新しいことを増やさない
何かを足すということは、それを管理するコストも一緒に増えるということです。
新しい収納グッズを買えば、その置き場所と使い方を考える必要が出るし、新しい習慣を始めれば続けるための意識を使うので、疲れを感じている時に何かを足すのは、重い荷物を持ちながらさらに荷物を増やすようなことです。
整えるフェーズで必要なのは、足すことより先にやらなくていいことを見つけることです。
やらなくていいことを見つける
毎日やっているけれど、本当にやらなければいけないのかわからないことが、暮らしの中には意外とあります。
惰性でやり続けていること、誰かに言われた頃からそのままになっていること、なんとなく続けているだけのことなど、そういうものを一つ見つけてやめてみるだけで少し余白ができます。
その余白が、暮らしを整え直す時間と気力になります。
小さく整え直す

暮らし全体を見直すと言うと、大がかりなことのように聞こえますが、一気に変える必要はありません。
一部分だけを少し整えて、それが生活に馴染んでいくのを確かめながら進むだけでいいんですよね。
一気に変えようとしない
一気に変えようとすると、変えた後の状態を維持するエネルギーが必要になります。
片付けを一気にやって、翌日からぐったりして元に戻るというのは、その維持エネルギーが続かなかったということなので、小さく変えて生活の中に馴染ませていくほうが、結果として長続きします。
整え直しは一度で終わらせるものではなく、少しずつ形を変えながら続いていくものです。
一部分だけを整えて馴染ませる
毎朝使うキッチンの一角だけ、いつも座る椅子の周りだけ、寝る前の30分の過ごし方だけ、そういう小さな範囲を一つ選んで、少し整えてみます。
変えた場所が生活に馴染んできたと感じたら、次に気になる場所を見る、その繰り返しです。
全体が変わるのは、そういう小さな馴染みの積み重ねです。
これからの暮らしを基準にする

思い出の物で止まっていた時間は、過去を基準に物を見ていた時間でもあります。
あの頃どれだけ大切だったか、あの時誰かとどこへ行ったかという過去の記憶が判断の基準になっていたから、なかなか動けなかった。
暮らしを整え直す時は、その基準をこれからに切り替えることが大事です。
過去ではなくこれからを見る
これからの暮らしを基準にするというのは、未来の計画を立てるということではなく、今日からの自分がどんな時間を過ごしたいか、どんな部屋にいたいか、どんな一日を送りたいか、そういう感覚を手がかりにするということです。
過去の自分にとって大切だったかどうかではなく、これからの自分にとってどうかという問いに切り替える。それだけで、物の見え方も部屋の見え方も少し変わります。
自分に合うバランスを少しずつ見つける
これからの暮らしに合う形は、誰かの正解を参考にして決めるものではなく、無理しない範囲で、自分が心地よいと感じるバランスを、少しずつ探していくものです。
一度で見つかるわけでもなく、やってみながら調整していくしかない。
でもその探し方自体が、暮らしを自分のものにしていく過程なので、止まったところから、そういうフェーズに入っていけるということです。
まとめ
今回は、思い出の物で止まった後の暮らしの再設計という考え方について書きました。
思い出の物で止まった後に必要なのは、片付けを再開することではなく、物から暮らし全体へと視点を切り替えること。
時間・空間・習慣のつながりで暮らし全体を見てみて、一日の流れの中でどこに疲れを感じているかを軽く確かめる事が再設計の入口になります。
整え直す時は、新しいことを増やすより先に、やらなくていいことを見つけることです。
増やすと管理が増えて疲れるから、まず余白を作る。
一気に変えようとせず、小さな範囲を一つ整えて生活に馴染ませていくというその繰り返しで、少しずつ形が変わっていきます。
そして基準を過去からこれからに切り替えること。
自分に合う暮らしのバランスは、やってみながら少しずつ見つけていくものなので、無理しない形で、自分のペースで整えていけばいい。
止まった場所から、そういうフェーズに入っていけます。
整えた状態から次に進むための具体的な動き方については、こちらでまとめています。


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